近年注目を集めるラボグロウンダイヤモンドとは?
ラボグロウンダイヤモンド(Lab-Grown Diamonds)とは、ラボ(研究所)で育てられたダイヤモンドです。採掘された天然のダイヤモンドと同じ炭素を原料としているだけでなく、結晶構造や硬度も天然ダイヤモンドと完全に同じように作られています。アメリカを中心に人気に火が着き、今では世界各国のジュエリーブランドやハイファッションブランドが注目している次世代のダイヤモンドです。
早速、ラボグロウンダイヤモンドの特徴について解説いたします。
環境にやさしい
まず、昔からある天然のダイヤモンドはキンバーライトという岩石の中から採掘されます。ダイヤモンドを含むキンバーライトがある山のことをダイヤモンド鉱山と呼び、ロシアや南アフリカに数多く見られます。
最近の研究によると、ダイヤモンドは地底145〜200km付近にまだ1000兆トン以上埋まっていることがわかってきました。しかし、現在の技術ではこの深さにあるダイヤモンドを採掘することは不可能です。
そこで、限りある大切な資源の一つであるダイヤモンドを将来的にもジュエリーとして楽しめるように…と、人工的にラボで合成する研究が盛んに行われるようになったのです。
HPHT(高温高圧法)というラボグロウンダイヤモンドの作り方では、天然ダイヤモンドが作られる環境と同じような高温高圧の環境を人工的に作り出し、1ヶ月ほどかけてじっくりとダイヤモンドを育てていきます。
紛争ダイヤモンドではない
天然ダイヤモンドはその希少性や美しさから非常に高値で取引されます。それゆえ、原産国であるアフリカ大陸の国々で80年代から90年代にかけて起きた紛争の資金源になってしまったことが1990年代に社会問題として浮き彫りになりました。
2000年代には、国ごとに加盟するキンバリー・プロセス認証制度という紛争の資金源となる『紛争ダイヤモンド(ブラッドダイヤモンド)』を取り引きしないということを証明するための制度が生まれ、現在ではほとんど紛争ダイヤモンドは流通していないと考えられています。
ラボグロウンダイヤモンドはラボで作ることができるので、非常にクリーンなダイヤモンドだといえます。最近ではティファニーやブルガリなどを傘下にもつファッション業界最大手企業LVMHグループもラボグロウンダイヤモンドの生産所に高額な投資をしたことが話題になるなど、経済的にも最先端で信頼できるダイヤモンドなのです。
生産過程がクリア
天然のダイヤモンドの中で、最も古いものは約40億年前に誕生したと言われています。地球という星が生まれたのが約45億年と考えると、ダイヤモンドは地球がまだまだ若い頃に出来たということですね。想像を超えるような歴史を持つ天然ダイヤモンドを身につけることは非常にロマンティックですが、一方でどのような過程を経て手元に届いたのかわからないといった不安もあります。
その点、ラボグロウンダイヤモンドは厳重に管理されたラボの中で製造されているので、工程がしっかり管理されています。また、製造には非常に高度な技術が必要なため、世界各地の信頼できるラボでしか作られていないのも安心できますね。