A Day of My Life

北山はるな – S.O.S fp 池袋PARCO店 店長

今回の「A Day of My Life」でフォーカスするのは、4月からS.O.S fp 池袋PARCO店の店長に就任した北山はるな。中学と高校時代をベルギーのブリュッセルで過ごした異色の経歴を持つ彼女は、今年で入社6年目の27歳。これまで社員の中で最年少キャラを確立していた彼女ですが、町屋にあるSOS STUDIOの工房スタッフとして採用された22歳のルーキーに、昨年晴れてその座を引継ぎました。

そんな北山に休日に行きたいところを尋ねたところ、「合羽橋に料理道具を見に行きたい」ということで、プロ仕様から家庭用まで、170を超える専門店が軒を連ねる「かっぱ橋道具街」へと繰り出しました。

写真は合羽橋のランドマークとも言える、菊屋橋交差点にそびえ立つニイミ洋食器店のジャンボコック像。

テキスト

「毎日の食事はなるべく自炊するように心がけているのですが、どうしても仕事で帰りが遅くなるので、休みの日に一週間分の献立を考えながら食材を購入して、それを次の休みまでに消費していくのがミッションみたいになっています」と北山。休みの前日に空っぽの冷蔵庫を見ると、達成感でいっぱいになるんだとか。

北山が一日の中で一番好きなのは、毎日の晩酌時間。洋食にはワイン、和食には日本酒、韓国料理にはマッコリと、料理に合わせたお酒なのか、お酒に合わせた料理なのかはさておき、とにかく「料理とお酒が大好き!」ということで、こだわりの料理道具専門店で、ずっと来てみたかった釜浅商店にお邪魔しました。20代のわりに、ほんのり「来ました!」のポーズが古いのはご愛嬌。

テキスト

一番のお目当ては、釜浅商店がオリジナルで展開している鉄のフライパン。日本で唯一、鉄を打ち出してフライパンを作る技術を持つ山田工業所に製作を依頼している物で、プロからアマまで、熱狂的なファンを持つ超人気アイテムです。しかし店員さん曰く、鉄のフライパンは常に注文が殺到しているようで、現在次の入荷まで数ヶ月待ちという状態。厳しい現実を突きつけられた北山は、カメラの前ということも忘れて思わずこの表情。

テキスト

鉄のフライパンは泣く泣く諦めましたが、他にもスキレットや中華鍋など、一生使える鉄製の物ばかりを眺めていた北山、お店の片隅に同じく釜浅商店がプロデュースしている、南部鉄器の浅鍋を発見。こちらは打ち出しではなくて、鋳物の手付き鍋。フライパンとしてはもちろんのこと、オーブンウェアとして直接テーブルでステーキ皿にしたり、卓上ですきやき鍋として利用するなど、様々な用途で使える“映え”要素もかなり高いアイテム。
「これでアヒージョやったらめちゃくちゃお洒落じゃないですか?」と、思わず目が真剣になる北山。しかもレシピ本もあって、中にはすき焼き、パエリア、チキンソテーなど、手軽にトライできそうなレシピが盛り沢山。「テーブルで食器として使うならこのサイズもいいし、こっちのサイズはパーティにも……」と、悩みに悩んで収集が付かなくなったところで、ひとまず次の店舗へ移動することにしました。

釜浅商店
〒111-0036
東京都台東区松が谷 2-24-1
☎03-3841-9355
営業時間: 10:00 〜 17:30 年中無休(年末・年始を除く)
www.kama-asa.co.jp

テキスト

次に訪れたのが、世界各国から取り寄せた有名ブランドを数多く取り揃えるドクターグッズ。ストウブ、ターク、デバイヤー、モヴィエル、ライヨールなど、星付きのシェフも使っているような憧れの料理道具が所狭しと並んでいます。
「ストウブとか、見た目も可愛いし、無水調理も気になるし、憧れてはいるんですけどね……。料理の腕もまだまだだし、ちょっと手が届かないかな。でも、こういう一生使えるいい物を一つひとつ増やしていって、自分の料理道具もどんどん充実させて行きたいっていう気持ちはあるんです。ちょっとジュエリーの買い方と似てるかな?」

テキスト

二階に上がってみると、今話題の低温調理機ボニークを発見。
「うわーー! 低温調理、やってみたいんですよねー! 赤身の塊肉とかをしっとりレアに仕上げる感じ、家でできちゃったらすごいですよね」
これは好みの温度と調理時間を設定し、水を張った鍋に差し込んでおくだけで、プロ顔負けの低温調理ができてしまう優れもの。

テキスト

「昔お母さんがよくタジン鍋で料理してくれてたと思うんですよね。何を作っていたのか思い出せないんですが(笑)。なんか憧れるんです」
スペインで190年の歴史を持つレガス社の素焼き鍋カスエラは、それこそアヒージョのように、調理したままお皿としてテーブルに出せる映えアイテム。ここでもあれやこれやと目移りしすぎて、いよいよ収集が付かなくなってきた様子の北山。ちょっとカフェで休憩を挟んで、一旦冷静になりましょう。

ドクターグッズ
〒111-0035
東京都台東区西浅草1-4-8
☎03-3847-9002
営業時間:10:00 〜 18:00
定休日:日・月・祝(1月、8月、12月は月曜も営業)
www.dr-goods.com/

テキスト

かっぱ橋道具街から路地を一本入ったところに、雰囲気良さげなカフェを発見。メニューを見てみると、天然由来の植物性素材のみを使用したヴィーガンメニューがずらり。大豆ミートや湯葉が使われたハンバーガーや、動物性食材不使用のケーキなど、どれもこれも気になる物ばかり。ちょっと甘いものをつまみながら、今日いろんなお店で見て心を惹かれた物、今の自分に必要な物、これからやっていきたいことなど、冷静に考えてみるのも悪くありません。

松竹園カフェ
〒111-0035
東京都台東区西浅草2丁目7-­6
☎️03-6802-8355
営業時間:11:00~19:30 (コロナ対策期間中)
水・木曜日 11:00〜15:30
www.sho-chiku-en.com

テキスト

北山が選んだのは、お店の看板メニューとも言える夢幻レインボーケーキ。上からビーツ、ニンジン、カボチャ、ホウレンソウ、青い茶葉、サツマイモと、野菜などの色味を活かしたカラフルな見た目に気分がアガります。
「さっきお昼を食べたばかりなのに、甘さ控えめな感じがギルティ・フリーだからか、サクサク行けちゃいますね(笑)。ベルギーに住んでいた時も、ワッフルとかチョコレートとか、美味しいスイーツがいっぱいありました❤ 実はワッフルには、日本でも食べられる丸型のリエージュワッフルと、外がサクッとした長方形のブリュッセルワッフルの二種類があるんですよ。ヨーロッパは他の国に行くのも近いから、両親に連れられていろんな国を旅行しました。そんな旅先の情報をブログに書いていたら結構多くの人に読んでもらえて、それ以来文章を書いたり、情報を発信したりすることが大好きになりました。だから今年から『s.o.sfp_kitayama』っていうインスタアカウントを立ち上げて、ジュエリーやお店の情報とか、着こなしのアイデアとか、ちょっとした情報の発信を始めたんです。このオフィシャルホームページの特集記事なんかもたまに書かせていただいています」

テキスト

ケーキを食べたら、何やら決心がついた様子の北山。「ちょっと買ってきます!」と言って向かった先は、最初に見た釜浅商店。「やっぱり南部鉄器の浅鍋が、どうしても気になっちゃって……。いいジュエリーを買ったらもっとお洒落したくなるように、こんなにいい物を買ったら、また料理のモチベーションも上がると思うんですよね。レシピがついていたのも心強いポイント。鉄鍋はきちんとケアして大事に使えば一生使えるって言われているので、今日からしっかり育てていきたいと思います!」

テキスト

帰宅してから、早速釜浅商店で購入した鉄鍋を使った料理に挑戦。最初のメニューはもちろんアヒージョ !弱火でじっくり火を通すから失敗も少なく、1回目から高得点を叩き出せる鉄板メニューです。料理を続けるには、こういう成功体験が一番大事。プリプリのエビとエリンギ、ズッキーニ、プチトマト、そして大量のニンニクが織りなす、悪魔的な美味しさは容易に想像できます。
「今までアヒージョを作る際は、フライパンからお皿に移していたので、テーブルに運んでも熱々の美味しい状態で頂けることに感動しました! 心なしか、火の通りも早かったような気がします。もちろん、いつもよりワインが進んでしまったことは、いうまでもありません(笑)。これからどんな料理を作ろうかと、毎日ワクワクしながら考えています。もっともっと使いこなせるように、修行に励みます!」

テキスト

合羽橋散歩の日にも着用していた、北山のお気に入りアイテムたち。左から、ホースシューとクロスのペンダントをつけたシンパシー・オブ・ソウルのネックレス、20歳の時に両親からプレゼントされたマーク ジェイコブスの腕時計、シンパシー・オブ・ソウル スタイルのパールネックレス、下のリングは同じくシンパシー・オブ・ソウル スタイル、上のリングがスーマンダックワ、シュプリーム×ティファニーのピアスは夫からのプレゼント。

※シンパシーオブソウルのネックレス(ホースシュー)は生産終了しました。

テキスト

Photography by Junji Hirose
Edit & Text by Shingo Sano

北山はるなの愛用品はこちら